立方と地方

宴席で披露する芸能(踊り)は、立方(たちかた-踊り手)、地方(じかた-演奏者)でつくられます。新橋の芸は綺麗に、品よく、艶やかに、そのご紹介を致しましょう。


立方

新橋の踊りは花柳流、尾上流、西川流、三つの流派から指導を受けます。踊り手は三派のひとつに入門します。三派ともに家元の直弟子となることは街の誇りです。加えて年一度の「東をどり」では、演目を担当する家元から流派を超えた指導を受けます。三人の家元からの直稽古、これは芸事の街だからこその恵まれた環境なのです。

■花柳流家元 花柳壽輔(はなやぎ じゅすけ)
五代目花柳壽輔。五代目花柳芳次郎(後の四代目壽輔)の孫、花柳創右として東京で生まれる。2歳から稽古を始め舞台で初御目見得。4歳の時に国立文楽劇場で「喜撰」「土蜘」に出演し初舞台を踏む。2016年6月、五世宗家家元花柳壽輔を襲名。

■西川流鯉風派家元 西川左近(にしかわ さこん)
西川流鯉風派家元。父西川鯉三郎に師事し三才にて初舞台。『西川流雛菊会』を主宰し門弟の育成にあたり、芸の研鑽と鯉三郎作品及び芸の継承のためリサイタル「西川左近の会」を開催。

■尾上流家元 尾上菊之丞(おのえ きくのじょう)
尾上流を創流した歌舞伎の尾上宗家・六代目尾上菊五郎から脈々と継承。平成23年(2011年)には二代目菊之丞の長男・尾上青楓が三代目菊之丞を襲名し四世家元を継承した。


地方

新橋の邦楽は長唄と清元のふたつ、加えてお囃子、地方はどちらかに所属します。長唄、清元の先生は人間国宝。三味線、唄、浄瑠璃のご指導を頂きます。また、鼓や笛、太鼓のお囃子は福原流の家元のご指導です。

■清元(浄瑠璃)清元菊輔(きよもと きくすけ)

昭和三十二年東京生まれ。昭和五十二年、國太郎を名乗り、同年歌舞伎座にて初舞台。平成元年六代目菊輔を襲名。清元菊寿会主宰。清元節保存会会員。

■長唄 杵屋栄八郎(きねや えいはちろう)

昭和四十二年、東京生まれ。六才より栄敏郎師に師事。昭和五十五年に二代目栄八郎を襲名。東京藝術大学別科課程修了。文化庁主催中国公演、愛知万博など多数出演。

■囃子 福原流家元 福原百之助(ふくはら ひゃくのすけ)

祖父が六代目百之助(後の四代目寶山左衛門)。父が一中節の十二代目都一中。1991年に祖父の六代目百之助(後の四代目寶山左衛門)や望月太喜雄、東音浅見文子等に師事し2006年に七代目百之助を襲名。


芸のご披露の場

衣装に白塗り、鬘(かつら)を付けた姿で踊ります。それは宴席の余興と正月、松の内です。組合行事では演舞場の【東をどり】を第一に、若手による【なでしこ会】です。その他、各流が勉強を兼ねて料亭で催す流派の会、銀座からの要請で参加する茶会などのイベントと多岐にわたります。